研究成果について


姿勢改善や歩き方改善のこれまでの研究成果

2022年 S地区における歩行改善データについて

2022年11月10日(木)〜2023年1月26日(木)(全7回)において、弊社が業務委託を受ける特定非営利活動法人 健康姿勢管理で「健康維持に向けた住民主体の自主グループ作り」という目的の体験会を開催しました。効果測定は1.事前・事後のアンケートの実施、2.姿勢の外見写真(※個人情報の観点から未掲載)、3.歩行測定器による歩行の数値化としました。


ニュートラルの研究成果

坐位保持能力テストの結果について

腹横筋の活動が評価できると考えられている研究報告書を参考にHHD(ハンドヘルドダイナモメーター)を活用して、坐位保持能力テストを行いました。

被験者の年齢層:50〜80歳代

使用期間:2〜4ヶ月

使用時間:約1時間/日

方法:骨盤コントロール補助器「ニュートラル」の評価方法として坐位保持能力テスト1-4(測定機器:アニマ社 ミュータスF-1)を行いました。坐位保持能力テストは体幹や腹横筋の評価が行えると考えられていますが、ハンドヘルドダイナモメーターの徒手圧迫力に関しては再現性に問題が無いとの報告がある5ことから先行研究の通りに定量化の測定結果としました。先行研究では足を浮かせた状態で測定を行いますが、今回の測定対象者が高齢者そして半身が麻痺の方(以下、測定対象者)ということから足が浮いていることで測定に際し倒れるかもしれないとの恐怖感が測定結果に影響する6ことが懸念されます。その懸念の払拭のために座位時の膝の角度が90度で足の裏が床に着くようにし、座面の高さを調整できるピアノ椅子を測定椅子として使用し測定しました。測定対象者を左右の肩を床と水平に押す際に体幹で我慢するだけではなく足で踏ん張る様子も見て取れましたが、足で踏ん張る動作は下肢荷重力と言われ体幹機能の評価として用いられている7ことから、この度の測定では足で踏ん張ることも加味をした上で坐位保持能力の測定としました。測定は①左から右に押す、②右から左に押すを交互に5回繰り返し平均値(N)を算出しました。高齢者の測定限界値は先行研究を参考に肩を水平押した際に坐骨が坐面から離れる直前に測定最大値が得られるためその時点とし、片側が麻痺の方は転倒リスクを考慮し、我慢できる最大になった時に「ここまで」と声を発してもらい、押すことをやめた値を測定最大値としました。 ニュートラルを使用する前と2〜4か月後の値(N)をエクセルでMann-WhitneyのU検定を行いました。すべての測定において同一検者が行いました。

 

参考論文

1:田中彩乃, 網本和, 松澤智美他. ハンドヘルドダイナモメーターによる坐位保持能力の測定―健常人における加齢的変化―. 理学療法学. 2001, 28(6), p.282-285.

2:安田直史. 村田伸. 菅沼一平他. 要介護高齢者の座位前方リーチテストの再現性と妥当性の検討. 総合リハビリテーション. 2011, 39(5), p.477-481.

3:高橋俊章, 白田奈菜, 永瀬外希子他. 坐骨がロープを乗り越える運動が座位の定位と安定性にもたらす影響-ロープ使用の有無による違い-. 山形保健医療研究. 2021, 24, p.47-54.

4:内山靖, 臼田滋, 山端るり子他. 平衡機能. 理学療法ジャーナル. 1998, 32(12), p.949-959.

5柏智之稲岡忠勝片山訓博他. ハンドヘルドダイナモメータによる徒手圧迫力の測定. 高知リハビリテーション学院紀要. 2016, 17, p.39-41

6:石川夏奈子高宮城あずさ比嘉俊文他. 痛みの想起で、先行姿勢調節機構は遅延する(抄録). 理学療法学Supplement. 2012, 39(2).

7:村田伸, 甲斐義浩, 村田潤. 下肢荷重力と下肢筋力および坐位保持能力との関係. 理学療法科学. 2006, 21(2), p.169-173.