簡易座り姿勢チェック法
座っている時の骨盤の状態がおよそわかる簡易座り姿勢チェック法です。この方法はこれまでの研究と経験より独自に導き出しました。
(※このチェック法の正確性についてその内容を保証するものではありません。また座り姿勢の診断を目的とするものでもありません)
注意事項
・強く押し過ぎると思わぬ事故やお怪我をすることがあります。ご留意ください。
・被験者の方を押し倒すことが目的のチェック法ではありません。
簡易座り姿勢チェック法を始める前に
・このチェック法は外力(押す力)に対して耐える(我慢する)テストです。(※参考:坐位保持能力の測定※1)
・押すスピードはゆっくりと押してください(※目安:1cm/秒)
・座面の高さを膝がおおよそ90度曲がる程度の座面高の椅子で行ってください(※下記図をご参照ください)
・チェックを始める前に「押すので我慢してください」といい、被験者の方にこれからチェックを行うアナウンスをしてからチェックを
始めください
簡易座り姿勢チェック法(※骨盤の前後傾チェック法)
1.左右の坐骨が真っ直ぐに座面に接しているかの確認(左肩を押す場合:片押しA 右肩を押す場合:片押しB)
右肩もしくは左肩を横からゆっくりと押してください。ゆっくり押していくと動きやすい側と動きづらい側があります。
(※両方共動く場合、両方とも動かない場合もあります)
動いた場合(左肩を押して動いた場合:A-2 右肩を押して動いた場合:B-2)はチェック法CおよびDに続きます
2.股関節が外旋になっているのか内旋になっているかの確認(右股関節の場合:膝押しC 左股関節の場合:膝押しD)
チェック法1にて動いた側の股関節をチェックします。
(※左肩を押して動いた場合:A-2→膝押しC 右肩を押して動いた場合:B-2→膝押しD)
3.簡易座り姿勢チェック法の結果(※2,3,4,5)
A-1:右骨盤中立 A-2→C-1:右骨盤前傾 A-2→C-2:右骨盤後傾
B-1:左骨盤中立 B-2→D-1:左骨盤前傾 B-2→D-2:左骨盤後傾
以上となります。
参考文献
※1田中彩乃, 網本和, 松澤智美, 石黒友康. ハンドヘルドダイナモメーターによる坐位保持能力の測定-健常人における加齢的変化-. 理学療法学. 2001, 28(6), p.282-285.
※2安藤正志. 骨盤傾斜角と下肢回旋連鎖の検証. 日本スポーツリハビリテーション学会誌. 2022, 11, p.9-13.
※3Khamis S, Yizhar Z. Effect of the feet hyperpronation on oelvic
alighment in a standing position. Gait Posture. 2007, 25(1), p.127-134.
※4佐藤洋一郎.
運動連鎖とエビデンス. 理学療法の歩み. 2011, 22(1),
p.17-25.
※5建内宏重. 協調からみる関節運動学・姿勢の制御 と運動理学療法. 理学療法学. 2016, 43(3), p.31-34.